1.1.0 (2008 年 11 月 30 日)

POPFile v1.1.0 へようこそ

POPFile はナイーブ・ベイズ法を利用したメール分類ツールであり、POP3、
SMTP、NNTP の各プロキシと IMAP フィルタ、ウェブインターフェースで構成
されています。POPFile はほとんどのプラットフォームで、ほとんどのメール
クライアントとともに動作します。

いくつかの理由により、このバージョンは重要なリリースとなります。その
理由というのは、初めて SQLite 3.x データベースを使用するようになった
こと、これまでのクロスプラットフォーム版と Windows インストーラ版に
加えて Mac OS X インストーラが初めて追加されたこと、プロジェクトが
新しいサーバに移ってから最初のリリースであることです。


v1.0.1 からの変更点

1. バグフィックス

短い TLD(トップレベルドメイン)を正しく認識するようになりました。

Quoted-Printable で複数行にわたってエンコードされたテキストを正しく
処理できるようになりました。
(訳注:日本語環境においては、以前から正しく処理できていました)

件名(Subject)のヘッダがないメールを受信した際に、空の件名を追加する
ことはなくなりました。

POPFile が追加したヘッダがその直前のヘッダとつながって表示されてしまう
ことがある問題を修正しました。

小文字の「user」、「auth」コマンドをサポートしました。

設定ファイル(popfile.cfg)がより安全に保存されるようになりました。

2. POPFile の改善

POPFile は古い SQLite 2.x データベースフォーマットの代わりに SQLite
3.x データベースフォーマットを使用するようになりました。データベースの
ファイルサイズが小さくなる(新しい 3.x フォーマットのデータベースは、
2.x のデータベースと比べて約 1/3 のサイズになります)とともに、この
変更により、お好みで MySQL などほかの SQL ベースのデータベースをより
簡単に使用することができるようになりました。

起動時に古い SQLite 2.x のデータベースを見つけると、POPFile は自動的に
データベースのバックアップをとり、新しいフォーマットに変換します。この
変換には数分、あるいはデータベースが非常に大きい場合、30 分以上かかる
かもしれません。

MySQL サーバへの接続が切れた場合、自動的に再接続するようになりました。

コネクションタイムアウト(接続時間切れ)までの時間を 5 分よりも長く
設定できるようになりました。

必要なファイルが見つからないためにメールサーバに対して SSL 接続を行う
ことができない場合、メールクライアントにエラーメッセージを返すように
なりました。

数々の「uninitialized value」警告をなくしました。この警告は空の
コーパスを使用している場合などに起こっていました。

メールサーバが応答しない場合、接続を切断するようになりました。

新しい「pidcheck_interval」という設定が追加されました。これを変更する
ことにより、「popfile.pid」ファイルをチェックする間隔を調整することが
できます。「0」に設定すれば POPFile は pid ファイルをチェックしなく
なります。

Windows 版インストーラでダウンロードできる MeCab を v0.97 に更新しま
した。

NNTP プロキシが HEAD/BODY コマンドをサポートしました(bkeener 氏の
おかげで)。

3. Windows 版の改善

インストーラは POPFile を起動する前に、必要なデータベース更新を処理
するようになりました。これによって簡単にアップグレードの進捗状況を確認
することができます。データベースの更新には、データベースが巨大な場合、
30 分(あるいはより長く)ほどかかることがあり、このため以前のバージョ
ンのインストーラは、(まだ終了していないのに)データベースの更新が終了
したと考えてしまうことがありました。

インストーラは SQLite 2.x から 3.x への変換におけるメッセージを表示
するように改善されました。

popfile-service.exe はユーザーがログアウトした場合でも終了しなく
なりました。

環境によっては、POPFile のタスクバーのアイコンを使用している場合、
メールをチェックあるいはダウンロードしている間にアイコンの上にマウス
カーソルが移動してくると POPFile がフリーズすることがありました。
このリリースではこのタスクバーアイコンのためのコードが書き直され、
タスクバーアイコンが使われている場合に POPFile がフリーズする可能性が
減少しました。

4. ユーザーインターフェース(UI)の改善

UI の設定タブにおいて、UI 用ポート番号と POP3 ポート番号を同じ番号に
設定できないようになりました。

5. その他の変更点

公式な Mac OS X 版のインストーラが加わりました。Mac OS X 10.3
(Panther)以降で動作します。

Mac OS X 版のインストーラについての詳細は、以下を参照してください。

    http://getpopfile.org/docs/JP:HowTos:MacOSX


ダウンロードできる場所

    http://getpopfile.org/docs/JP:Download


POPFile をはじめて使う

POPFile をインストールして使用するための導入手順書としてクイック
スタートガイドが用意されています:

    http://getpopfile.org/docs/JP:QuickStart


Windows 環境における SSL サポート

SSL サポートはインストーラのオプションコンポーネントのひとつとして提供
されています。SSL サポートオプションが選択された場合、インストーラは
インストール時に必要なファイルをダウンロードします。

POPFile のインストール時(あるいはアップグレード時)に SSL サポートを
選択しなかった場合、あるいはインストーラが SSL ファイルをすべてダウン
ロードすることができなかった場合は、「プログラムの追加と削除」の
POPFile エントリを使って SSL サポートを追加インストールすることができ
ます。


クロスプラットフォーム版を使用する場合

POPFile は CPAN にあるいくつかの Perl モジュールを必要とします。以下の
モジュールが必要になるでしょう:

   Date::Parse
   HTML::Template
   HTML::Tagset
   DBD::SQLite (あるいは DBD::SQLite2)
   DBI
   TimeDate

CPAN から Bundle::POPFile バンドルを取得することにより、POPFile が必要
とするすべてのモジュールをインストールすることができます。

POPFile wiki のインストール手順を参照してください:

   http://getpopfile.org/docs/JP:HowTos:CrossPlatformInstall

日本語処理が必要なユーザーは、使用したい日本語パーサによってプログラム
や Perl モジュールを追加インストールする必要があるでしょう。これらの
インストール方法についての情報は、POPFile wiki を参照してください:

   http://getpopfile.org/docs/JP:HowTos:CrossPlatformInstall


クロスプラットフォーム版に関する既知の問題

Windows 以外のプラットフォームで SSL を使用する場合、IO::Socket::SSL
v0.97 もしくは v0.99 を使うべきではありません。これらは POPFile と
互換性がないことがわかっています。正しく動作する IO::Socket::SSL の
最新バージョンは v1.14 です。


Windows 版に関する既知の問題

1. Windows のタスクバーアイコン

POPFile の以前のバージョンでは、ある環境において、メールをチェック、
ダウンロードしている間にタスクバーのアイコンのツールティップスを表示
させようとしたり、アイコンの上にカーソルをあわせたりすると POPFile
がフリーズすることがありました。この問題の正確な原因はまだわかっていま
せんが、あるビデオカードと関係しているかもしれません。

今回のリリースでは、タスクバーのアイコンを作成するのに新しい方法を採っ
ています。初期のテストによれば、この新しいコードは以前よりも安定して
おり、以前に比べると POPFile がフリーズすることはあまりありません。

しかしながら、環境によっては新しいタスクバーのアイコンも何らかの問題を
引き起こす可能性があります。このリリースでは IMAP モジュールを利用す
るユーザーにはタスクバーのアイコンを無効にすることをおすすめします。
メールクライアントを使って POP3 接続をする場合よりも、気がつかない
うちにフリーズが起こる可能性が高いと考えられるためです。

2. Windows で複数のメールアカウントのメールを同時にチェックしたい

Windows では Perl の新しいプロセスを起動するのには長い時間がかかる
ため、デフォルトでは Windows 上で最適に動くよう調整されています。
メールプログラムが POPFile に接続すると、POPFile はそれを「親」
プロセス内で処理します。これにより、すぐに接続が行われ、メールのダウン
ロードがすぐに始まります。しかしこれは一度にひとつのサーバからしか
メッセージをダウンロードすることができないということを意味します(最大
で 6 つまでの接続が待ち行列に並べられ、届いた順番に処理されます)。
そして、メールをダウンロードしている間は UI を使用することはできませ
ん。

この動作を無効にすることができます(そうすれば同時に UI を使用すること
ができ、好きなだけメール接続を行うことができます)。UI の設定パネルで
「POP3 同時接続の許可:」が「はい」になっていることを確認してください。
あるいは、コマンドラインから --set pop3_force_fork=1 を指定します。

デフォルトの動作(POP3 同時接続不可)では、いくつかのアカウントを
チェックした際にメールクライアントが時間切れになる可能性があります
(POPFile は一度にひとつのアカウントしか処理しないため、すべての
アカウントを処理するのにしばらく時間がかかるのです)。
 
SSL サポートを使用する場合には、デフォルトの設定(POP3 同時接続不可)
を使用しなければいけません。そうでないと POPFile はクラッシュします。


v1.0.0 および v1.0.1 のリリースノート

v1.0.0 より以前のリリースからアップグレードする場合はより詳しい情報を
得るために v1.0.0 および v1.0.1 のリリースノートをお読みください。

   http://getpopfile.org/docs/JP:ReleaseNotes:1.0.0
   http://getpopfile.org/docs/JP:ReleaseNotes:1.0.1


寄付

POPFile を支えるために、「Donate!」ボタンをクリックして苦労して稼いだ
お金を私に寄付してくれたすべての方々に感謝しています。また、パッチの
提供や機能の要望、バグ報告、ユーザーサポート、翻訳などを行うために時間
を割いて協力してくれた方々にも感謝します。

   http://sourceforge.net/forum/forum.php?forum_id=213876


謝辞

POPFile に貢献してくれたすべての方々にとても感謝しています。特に、
POPFile を SQLite 3.x データベースで動作させるために尽力した
naoki iimura 氏に。

The POPFile Core Team
(Brian, Joseph, Manni and Naoki)
 
jp/releasenotes/1.1.0.txt · Last modified: 2008/12/03 05:36 by 127.0.0.1

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